top of page

AeroHouse の誕生と歴史

 エアロハウスはもともと住宅のプロダクト化を目指して構想されたものです。プロダクトと言っても金属パネルなどを使った工業製品ではなく「木で出来た」プロダクトにしてみよう、そうすると住みやすく長く使ってもらえるのではないかと考えたわけです。
 過去を振り返ってみると、主に金属を使ったプロダクト住宅は巨匠建築家たちによっても数多く構想されています。ところが量産化を前提にしているのにもかかわらず、これらは一般には広がりませんでした。また新素材が開発されるとそれを使ったhouse of future「未来の家」、例えばプラスチックの家が出現します。ところがこれも注目を浴びますが、結局はいつの間にか忘れ去られてしまいます。

バックミンスター・フラーのダイマクションハウス

ジャン・プルーヴェのトロピカルハウス

Futoro

 そこで「人は結局鉄やプラスチックを中では暮らしたくないのではないか?では木で作ってみよう」と考えたわけです。5坪から22坪の平屋から始まり、2階建て、3階建ての標準化した木のプロダクトとしてのエアロハウスを設計し、それぞれ40数ページの図面集、構造図、積算書を用意しました。これがあると「お金」も「もの」もはっきりわかるわけです。

初期のAeroHouse模型

ユニットの組み合わせ例

 ところがリリースしてみますと、「プロダクトとしてのエアロハウス」に興味を持たれて多くの問い合わせはいただきましたが、実際に望まれている住まい像は「規格」を大きく外れたものというケースがほとんどでした。たとえ規格を大きく外れない場合でも、床面積を少し広くしたい、天井高さを少し上げたいというような希望を持たれる方がほとんどでした。それでは構造が変わってしまうのでプロダクトとしては成り立ちません。
 この結果に僕はたいへん失望しました。何といっても多大な労力と時間をかけた、膨大な設計図面集が無駄になってしまうからです。ただ理解したのは「人々は規格化されたものに興味はもっている」と同時に「自分が思い描く住まい像が極めて明確にあり(特に僕のところへいらっしゃる方々は)それを実現させたいと考えている」ということでした。そこでこれに沿ってプロジェクトを軌道修正することにしました。こうしてエアロハウスは、プロダクト化を志向しながらいわゆる「注文住宅」として発展してきました。

 そして現在、様々な建て主様の(時には無理難題な)ご要望を実現する努力を重ねたおかげで、当初スパン(柱間の距離)は最大で6mだったものが、現在では短い場合は3.6mから長いものでは14mまで存在したり、床が11レベルある空間が実現出来たり、建物本体を6mの高さまで持ち上げたり、沖縄まで持っていったり、ヨコに設置していたものをタテに設置しなおしたりと、カラフルな要望に応えてゆくことで構造体や住まいの可能性を広げることができました。

 そもそもビル建築を主体に設計をしていた僕が住宅設計にあこがれて始めたエアロハウス Project ですが、現在ではリゾート施設、児童福祉施設、アトリエ、会社社屋などの非住宅の建物用途としての可能性にも広がりを持ってきています。

​村井 正

bottom of page