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都心のオアシス、エアロハウスの斬新なデザイン性が実現


 地下鉄有楽町線の要町駅に近い住宅街の一角、2018年に竣工したエアロハウスがある。偶然にもその一角は、モダンな家が多く建ち並んでいた。

こちらのエアロハウスは、これまでにない新しいフォルムのタイプだ。正面がTの字型のユニークなデザインになっている。まさにTの字で、1階よりも2階が広くなっていて、1階両サイドには、自家用車がそれぞれ置かれている。

 1階の玄関口は、Tの字の正面から見て右サイド、車をすり抜けた先にある。

扉が開き、施主のNさんが出迎えてくれた。そして、息子さんのお嫁さんやお孫さん、さらに愛犬2匹たちも楽しそうに、リビングで遊んでいた。

 リビングは、エアロハウス独特の木の広い空間になっていて、天井が高く感じる。さらに大きな窓から差し込む外光が、暖かな雰囲気を彩る。うまい具合に、隣の家の隙間から光が差し込むのだ。

 Nさんのお宅は、約50坪の敷地に、エアロハウス2階建ての2世帯住宅。1階が親であるNさん夫妻が住み、2階が息子さんの家族が住む。

 Nさんによると、この場所は、もともと、借地権付きの戸建てが2軒あり、通りに面した家と奥の旗竿地の家だった。かつてNさんが通り側の家に住み、奥にNさんのご両親が住んでいた。しかし4年前にご両親が亡くなって空き家になったのを機に、Nさんの独立していた息子さん家族が戻って同居することを検討した。そこで、建て替えることを決断し、まずは地主さんに相談したところ、土地を売却してもらえることにもなった。

 そこで、ハウスメーカー等、住宅展示場を訪ね、いくつか検討しているなかで、奥様がたまたまエアロハウスのwebサイトを見つけ、相談しに事務所を訪ねることになった。

 それまでお住まいのお宅は、老朽化して隙間風が入ってくるような状況で、東日本大震災は何とか乗り越えたが、やはりがっちりした安心の持てる家に住みたいと考えた。とは言っても鉄筋コンクリート造の家にするのは、大袈裟な気もして、一方で木の家の心地よさも捨てがたいとNさんは考えた。さらに、ハウスメーカーだと、自由設計と言いながらも、ある程度の変更ポイントが限られ、思ったより自由度がないと感じた。

 やはりエアロハウスがしっくりきたということで、設計を依頼することに。

 2017年8月に更地にして、9月に工事が始まり、翌年の2月に竣工し、住み始めたのだ。工事期間中、Nさんは、この近所に借り住まいをして、建築現場にたびたび足を運んだ。しっかりと地盤改良をして、基礎を作ってくれたので、安心だったと当時を振り返るNさん。さらに担当の大工さんとも仲良くなったそうだ。

 家の中を拝見させていただくと、随所にNさんのこだわったポイントが見えてくる。

 1階がNさんの住まいで、2階を息子さん家族の住まいとして、なるべくお互いに独立性を持たせたいと考えたそうだ。そこで、玄関を明確に別々にして、通りから見ると、建物の右側にNさんで、左側に息子さん家族の入口があり、外階段を上がっていく。

 また、それぞれにマイカーがあり、この土地自体は、間口が狭くて、奥行きが深いので、駐車スペースの確保に難儀したとエアロハウスの建築家・村井氏。そこで、Tの字にして、空きスペースを作り出し、駐車スペースとしたそうだ。

 次に、一番懸念したのは、1階の自然光の明り取りだったそうだ。建て替え前の家は、1階が、常に薄暗く、年中電灯をつけてないとならなかった。この界隈の住宅は、都市化が進んでいて、家が密集している。そこで、村井氏は、隣の建物との取り合いを考慮した位置に窓を設置し、特に天井近くまで大きくした。さらに中庭を設けたことで、自然光が差し込みやすくしたのだ。友人が訪ねてくると、モダンな外観とは対照的な木の明るい室内に、ギャップを感じて驚くという。

 奥様は服飾関係の仕事をされていて、自宅にも服や靴の商品を置くことがある。そこで1階には奥様の仕事部屋を設けていて、玄関から直接入れる間取りになっている。また収納スペースも多くとっていて、靴も100足以上置かれている。まさにエアロハウスの壁構造は、靴の収納にも最適だ。さらに寝室のクローゼットのハンガーは手前と奥に2本あり、多くの洋服が並べてあった。

 また食器も多くお持ちで、キッチンの収納も天井近くまで充実している。その隣にある浴室と洗面所コーナーには、ユーティリティースペースが設けられ、洗濯物を畳むなど、多目的に利用できる作り付けの細長いワークデスクになっている。

さらにその隣は、愛犬が出入りできる勝手口だ。

 一方、息子さん家族は、さほど細かい要望がなく、LDKにアイランドキッチンにして欲しいということぐらいだったそうだ。2階リビングでは、エアロハウスの構造棚に、息子さん夫婦のマンガがたくさん置かれ、収納に大助かりだったとのこと。

 そのLDKは、通り側に位置するものの、Tの字の壁面部分が、構造体になっているので、窓はつけられない。そこで、両サイドに窓があり、結果として視線が両方に向かうため、空間を広く感じる設計になっている。

 Nさんは、工事期間に、大工さんから残った木材をいただき、竣工後、DIYでいろいろと作った。例えば、ベッドの台、リビングのテーブル、さらに中庭のウッドデッキなどだ。

 だからモダンでありながら、手作り感のあるぬくもりの空間になったのだろう。

 今回の家づくりで、Nさんは、自分たちにとって必要なものがしっかり設けられ、一方で無駄がないことに満足している。エアロハウスの自由設計の暮らしを楽しんでいるそうだ。


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