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シェアハウスとして、レンタルスペースとして、集う場所に!

更新日:2020年3月23日


今回紹介するのは、エアロハウス初めての試みであるシェアハウス。

竣工は2013年の9月、東京の品川区にある。

JRの駅を降りて、徒歩10分でそのSさんのお宅に着く。住宅の密集地に建ち、入り口の「MIRAIE」という屋号が目印だ。

3階建てながら、入り口は2階。外から小さな階段を上がっていく。 このアプローチこそが、この家のコンセプト「シェアハウス」を物語っている。 シェアハウスを始めたきっかけは、Sさん自身がシェアハウスでの暮らしが好きだからだ。

奥様ともシェアハウスで出会った。

子どもができて、シェアハウスで子育てをしたいと考えた。


しかし、当時、赤ちゃんも同居できるシェアハウスがなかったのだ。 ならば、自分たちで始めてしまおうと、家づくりを決意。

この品川界隈は、住んだこともあり、土地勘があった。また仕事場も近く、職住近接が実現できる。 土地探しでお願いしていた不動産屋さんの紹介で、エアロハウスの村井氏に出会った。

自由度の高い、エアロハウスの設計思想が自分にあっていたという。また狭い土地でも実現できると考えた。 Sさんは会社の寮など、共同生活が心地よかった。結婚するからといって家族で閉じた生活をすることに違和感がある。

そこで、開かれた家をテーマにしたコンセプトの家づくりをすることに。

村井氏に目指すコンセプトを伝え、理解してもらった。候補の土地が見つかると、すぐに間取り案を作ってもらえた。だから検討しやすかったという。あらかじめコンセプトが共有できていたのが良かった。 現在の土地が見つかったときも、すぐにデザインプランが出てきた。 3階建てで、2階が玄関。LDKがあり、螺旋階段で上下をつなぐ。

1階はシェアハウスの住人が暮らす部屋。3つあり、長期滞在者用が2つに短期滞在者用が1つだ。 3階は、Sさん家族が暮らすプライベートスペース。ワーキングスペース、主寝室、子ども部屋がある。 大枠のところ、現在とほとんど変っていない。

さらに、最終段階で、詳細を落とし込んでいった。

屋上は、露天風呂施設がある。シェアハウスとしての特徴を出そうという狙いからアイディアが産まれた。 さらに屋上には、小さなスペースがあり、季節の良い時期にバーベキューをする。住宅密集地でありながら、ここからの眺望は開放感あり、遠くに高層ビルを臨める。


2014年の11月には、airbnbからサンフランシスコに招待されてオーナー向けのカンファレンスに参加した。世界のユニークなゲストハウスを運営している人が集まるというもの。 短期滞在者向けの部屋に外国人旅行者にも利用してもらい、評判も上々だという。 Sさんによると、「2つの強みが評価されたのでしょう」と分析する。 それは、ハード面とソフト面の2つだ。

ハード面とは、家のつくりのこと。世界でも珍しいエアロハウスという建築だ。家の中にブランコやハンモックがあり、屋上には露天風呂がある。

さらに立地としては、旅行者に利便性が高い。品川区は、羽田空港に近く、新幹線の駅もあり、新宿や渋谷にも乗り換えなし。さらに横浜や鎌倉へも便利。

ソフト面としては、奥様の対応力のポイントが高い。奥様は台湾人で、英語、中国語、日本語と3言語を巧みにしゃべり、さらに大学でホテルについて学ぶなど、ホスピタリティのある方だ。 また小さな子供がいたり、犬がいたりと、賑やかな雰囲気も魅力。

ところで、Sさんのお仕事は、ITでソーシャルメディアの開発や運用をしている。 シェアする文化、知らない人同士がつながる文化について、やがて到来することは肌で感じていた。実際にITの世界はその方向で進んでいる。 そのリアル版として、自邸を使って、シェアをテーマにした暮らしを実践している。

2階のリビングでワークショップをしたり、レンタルスペースとして企業の会議にも貸している。 北側のトップライトから優しい外光が差し込む。木のぬくもりが、心地よい雰囲気を後押ししている。 エアロハウスを活用した暮らし方が広がりをみせている。


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